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2015.12.04

機械の評価~特注品の公正市場価値

機械の中には、ある特定の製品を製造するために作られた特注品の機械が存在します。先日、その種の機械の適正価格(新品価格)を知りたいという依頼がございました。評価対象となった機械は、木材加工を施すための工作機械でしたが、過去に製造されたものは評価対象を含めても片手程度しか存在せず、当該メーカー以外は扱っていない機械でした。

汎用品であれば、類似の機械が複数のメーカーで製造・販売されているため、これらとの比較により新規再調達コストの査定は比較的容易に行うことができます。しかし、特注品の場合は比較対象となるような類似の機械が存在しないため、この方法ではメーカー希望価格が新品の適正価格であるか否かを判断することは出来ません。

このような場合、価格の妥当性を確認する手段として、その機械を使用することによって得られる売上・利益が、当該コストに見合うものか否かを確認する方法が考えられます。既にその機械を使って製造されている製品の販売実績が一定程度積み上がっており、メーカー提示の価格に見合う収益性があると確認できれば、当該価格で購入しても問題はありません。しかし、評価依頼をいただいたケースでは、まだ当該製品の販売は始まって日が浅く、収益性を確認できるまでの状況には至っておりませんでした。

結局、製造コストそのものを積み上げる方法しかないという結論に達し、木材加工の工作機械を扱っている数多くのメーカーや販売業者へ訪問調査等を実施した結果、当該製品の基本性能が別の工作機械の汎用品と概ね同程度であることが判明したため、その価格を基準として追加機能に見合うコストとメーカー利潤を加算することで、当該機械の公正市場価値にたどり着くことができました。

機械設備、動産の価値評価に関しては、評価に必要な情報を入手するだけでも一苦労することが多いのですが、今回の事案は弊社が扱った中でも特に大変な案件でした。


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