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2016.03.01
太陽光ファンドの上場
東京証券取引所が2015年に開設した「インフラファンド市場」に、複数の太陽光発電ファンドが上場を計画しているようです。第1号はマンション分譲を手掛けるタカラレーベン傘下のファンドで、4月以降の上場を目指しているようです。上場インフラファンドについては、2016年度の税制改正により利益に対する法人税の非課税期間が現行の10年から20年に延びることが決定しています。投資家はその分、多くの分配金を得やすくなるため、インフラファンドの上場を後押しすることになったわけです。
インフラファンドは、他のアセットとの相関が低く、長期的に安定したキャッシュフローが期待できます。アメリカの年金資金は2014年で4%程度の資金をインフラファンドに資金配分しています。東証の上場インフラファンド市場も、年金資金や金融機関などの運用先として、注目の市場になることが予想されます。インフラファンドの投資対象には、鉄道、道路、空港、港湾といった施設のほか、電力、水道、ガスなど長期で安定した収入が見込めるインフラがあげられますが、当面は、太陽光発電などの再生可能エネルギー関連施設を組み込んだファンドが主役になると予想されます。
このうち、太陽光発電は2012年にFIT(固定価格買取制度)が導入されて以降、急速にその数を増やしてきましたが、買取価格の低下や出力抑制への懸念、グリーン投資減税の打ち切りなどにより、中小規模の事業者や個人の需要は伸び悩んでいます。一方で、パネル価格の値下がりや建設工事の効率化などで、メガソーラーの建設費は1メガあたり約3億円から2億円強へと下がっています。大手資本と技術力のあるメーカーが協力することで、これまで採算に合わなかった土地でも建設が可能になり、収益性を確保できるケースも出てきました。「インフラファンド市場」の創設は、こうした大規模なメガソーラーの建設を後押しするものと考えられます。
太陽光発電所の評価は、発電所が設置されている不動産に係る評価スキル、発電所を構成する機械設備の評価スキル、事業収支の分析スキル、これら全てが求められます。弊社も資産評価の専門家として、社会インフラの整備に尽力していきたいと思います。
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