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2015.11.04

在庫の評価

企業が保有している固定資産のうち棚卸資産に分類される、原材料・仕掛品・半製品・製品・商品などの資産を在庫といいます。在庫の評価はこれら棚卸資産の公正市場価値、任意清算価値、強制清算価値を求める評価をいいます。

在庫の評価が必要になる局面としては、ABL(売掛債権・動産担保融資)における担保価値の算定目的が最も多く、そのほかでは企業再生やM&Aの局面などでも在庫評価を行うことがあります。

在庫評価の大きな特徴に、取引レベルという概念があります。電化製品を例にしてご説明します。評価対象となる企業が、〇〇電気や〇〇カメラのように最終消費者へ電化製品を販売する企業の場合は、在庫の公正市場価値は皆様が購入される価格とイコールです。

○○電機や〇〇カメラに当該製品を卸している企業が評価対象の場合は、在庫の公正市場価値は〇〇電気や〇〇カメラへ当該企業が販売している卸価格となります。電化製品を製造している企業が評価対象の場合は、電化製品(完成品)の公正市場価値は当該メーカーから卸会社へ販売する価格になります。同じ電化製品でも、評価対象となる企業がどの取引レベルにある企業かによって、公正市場価値も変化していくのが在庫評価の大きな特徴というわけです。

在庫評価では、その企業の在庫管理体制や在庫の保管状況がその価値を大きく左右します。在庫の管理から入出荷までを最新の物流倉庫などにアウトソーシングしているケースもあれば、老朽化した自社倉庫で管理も行き届いていない状況下でアナログ管理しているケースまで、企業の在庫管理状況には大きな差があります。どちらの評価が高くなるかはご説明しなくてもおわかりになるでしょう。

在庫の評価は、機械設備の評価とその性格を異にするため、ASA(米国鑑定士協会)ではME206という専門講座が用意されています。弊社ではME206を修了したASA国際資産評価士が在庫評価を担ております。在庫評価が必要な場合には、資産評価の専門家である弊社所属のASA国際資産評価士にご相談ください。

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